包皮口が狭い「カントン包茎」の原因は?
包茎は、放置しても良い症状とそうではないものがあります。一般的に、包皮は亀頭を守るために存在しますので健康状態を考慮すればこれがあることでマイナスになる面はありません。男性の肉体が大人に向かうに連れて、その状態は自然と解消されていくからです。
しかし、こういった過程を経ずに肉体が成長してしまう人も存在します。カントン包茎は、その中でも特に小児にとっても大きな問題になる可能性があるものなので、早急に対応しなくてはいけません。カントン包茎になると、最悪の場合には陰部の組織が破壊されてしまいますので治療の相談が必須になります。
包茎そのものは悪いことではない
男性には、陰部を守るために包皮と呼ばれる皮が存在します。亀頭が露出しないように守ってくれているものであり、こういった亀頭を守るために皮が完全に被っている状態を真性包茎といいます。真性包茎そのものは、一般的には問題視するようなものではありません。実際に、抵抗力の低い小児の真性包茎は身体を守るためにも重要な意味があると考えられています。
そのため、無理に治療をしなくても問題はなく、自然とその状態が改善するのを待つのが得策です。亀頭と包皮は新生児の場合は癒着していることが多く、その癒着は年齢を重ねるごとに狭い包皮口もゆるくなっていきます。幼児に成長した段階で約40%から50%程度が既に癒着がとれています。そして、思春期に至ると全体の90%以上が真性包茎から脱することになります。
本来は、このように肉体的な成長とともに真性包茎は改善されていきます。ホルモンバランスや単純に性への興味から男性の肉体が反応することと関連しており、問題視するようなものではありません。しかし、少数ながらこういった通常の男性的な成長ができない人もいます。そうした人たちは、最終的にカントン包茎に陥るリスクが生まれてしまいます。
カントン包茎が小児に多い理由
カントン包茎が小児に多いのは、肉体的な成長が伴っていないのに無理に包皮をめくろうとするからです。基本的に、小児の包皮口は非常に狭い状態にあるため大人のようなゆとりが存在しません。一般的に、包皮口は肉体の成長とともに自然と大きくなります。亀頭が成長することによって癒着部分も剥がれていき、それにあわせて包皮口も大きくなる必要があるからです。
ところが、小児の状態ではこのゆとりがまだ存在しません。亀頭が成長しているわけでもありませんので、常に包皮口は狭い状態にあります。この状態のときに、無理に包皮をめくろうとしてしまって陰部が強く圧迫されるのがカントン包茎と呼ばれる症状です。
陰部と包皮口のバランスが上手くとれていないにも関わらず、包皮をのばそうとすることで症状が発症します。この症状の大きな問題点は、陰部が常に圧迫された状態になってしまうことです。包皮口が非常に狭いので亀頭を露出させるのに十分なゆとりをもてず、その部分を締め付けてしまう状態になってしまいます。
亀頭部分が飛び出した状態になりますので、これが嵌まって戻らず自力では解決することが難しくなり、結果的に治療が必要になります。
真性包茎が原因になることもある
カントン包茎の原因には、間接的に真性包茎が関係していることもあります。真性包茎は、常に包皮が被っている状態になってしまっている症状です。一般的に、思春期を終えて大人になるころにはほとんどの人が包皮をめくることができる状態になっていますが、約1割程度の人は真性包茎のまま成長することがあります。
割合としては、小学生の低学年であっても約半数近くが既に真性包茎の状態を脱していますので、ここからカントン包茎になる人はそう多くありません。しかし、真性包茎の問題点は包皮口が非常に狭いことです。自分で包皮をめくることができない状態なので、真性包茎を改善しようと自力で無理に包皮を剥がすと、それが原因でカントン包茎になってしまうことがあります。
実際に、重度な真性包茎はカントン包茎に陥る可能性が高いこともわかっていますので注意をしなくてはいけません。現実的にも、真性包茎のまま成長した大人がカントン包茎になった事例が存在しますので小児の問題だけではありません。
カントン包茎は、一度発症すると陰部の組織が圧迫されますので、腫れや炎症を発症させるのはもちろん、最悪の場合は組織が壊死してしまいます。ですから、症状がわかった段階で病院に相談して改善してもらわなくてはいけません。
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まとめ
カントン包茎は、亀頭と包皮口の関係に大きな原因があります。言い換えると、大人に成長してもその部分で問題がある人はこの症状を発症させるリスクが存在することを意味します。小児に症状が多いのは成長段階にある包皮口に原因がありますが、大人であっても真性包茎であるのならばそのリスクは無視できません。何よりも、実際に症状に陥ったときのリスクは非常に大きいです。
亀頭が常に圧迫されるため血流が悪くなり、日常生活にも支障が生じます。重症化すれば生殖機能に問題が発生することもありますので、将来的なことを考慮しても早い段階で治療をするのが得策です。